今回は、高配当株であり、国内最大のエネルギー企業であるENEOSを徹底解説します!
会社概要
エネオスホールディングスは、連結売上高13兆8,567億円を誇る、国内最大の総合エネルギー企業です。
石油精製・販売を中心に、石油・天然ガス開発や金属事業まで幅広く展開し、130年以上にわたり日本の産業と生活基盤を支えてきました。
事業別の営業利益を見ると、在庫評価の影響を除いたベースで3,932億円を計上。
その内訳は、エネルギー事業が1,813億円、石油・天然ガス開発事業が915億円、金属事業が811億円、その他事業が393億円となっています。
特にエネルギー分野では、国内燃料油シェアの約5割を占めており、インフラの中核としての存在感を発揮。
近年では、子会社のジェーエックス金属が株式上場を果たし、連結子会社から持分法適用会社へ移行。グループ経営の効率化と事業の選択と集中を進めています。
さらに、エネオスは長期ビジョンとして「エネルギーと素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」の両立を掲げ、水素・バイオ燃料・再生可能エネルギーといった次世代エネルギーの開発にも力を注いでいます。
・事業概要
エネオスの事業は、以下の6つのセグメントで構成されています
1.石油製品
国内約50%のシェアを持つガソリン・軽油などの精製販売が中心で、2023年度の営業利益は1,900億円を超えています。この事業の利益を元手に、水素や合成燃料といった次世代エネルギーへの本格投資を進めています。
2.機能材(高機能素材)
エラストマーなどの高機能ゴム素材を中心にモビリティ産業向けに展開。2024年度は、前年から倍増の177億円の営業利益を見込んでおり、再生素材へのシフトも視野に入れています。
3.電力・都市ガス
火力発電を中心とした電力供給とガス販売を展開。仮想発電所の整備も進めており、再エネ普及を支える分散型エネルギー基盤の構築が進行中です。
再生可能エネルギー
4.太陽光・風力・バイオマスなどの再生エネルギー開発を推進。2030年には現在の発電容量(127万kW)の倍増、2050年には主力エネルギー化を目指しています。
5.石油・天然ガス開発
東南アジアを中心とする上流資源開発では、CO₂回収・貯留といった脱炭素技術との統合により、持続可能な資源開発モデルの構築を進めています。
6.金属(非鉄)
ジェーエックス金属を中心に、半導体向け高純度銅や情報通信機器用素材など、世界トップレベルの競争力を誇ります。2024年度は1,111億円の営業利益を計上しています。
・配当推移
ENEOSは、「安定した配当の継続」を経営の最重要方針のひとつと位置づけており、過去十数年にわたって減配を一度も行っていないという、非常に強い株主還元姿勢を貫いている企業です。
2010年から2017年までは、旧JXホールディングス時代を通じて、1株あたり年間16円という安定配当を継続。
当時は原油価格の乱高下や経営統合による不透明感があったにもかかわらず、減配を行わなかった点は、企業としての強い意思の表れです。
2017年のJXTGホールディングス発足後(現ENEOSホールディングス)には、株主への利益還元強化の姿勢を明確に打ち出し、2018年に19円、2019年に21円と増配。
2020年以降は22円を安定的に維持し、コロナ禍で最終赤字を計上した年でも、減配は行われませんでした。
そして、業績の回復にともない、2025年3月期には1株あたり26円に増配を実施。さらに、2026年3月期には30円への増配が予定されています。
このように、ENEOSの配当政策は非常に堅実で、景気や業績の変動に左右されず、長期保有を前提とする投資家にとっては、非常に心強い存在となっています。
また、配当性向(利益に対する配当割合)についても、在庫評価の影響を除いた実質利益ベースで見ると、おおむね「利益の50%以上を株主に還元する」という中期目標に沿った水準で推移しています。
さらに、2025年には配当支払総額が約695億円に達する見込みとなっており、同年度には自社株買いも合わせて、総還元額が3,000億円を超えるとされています。
これは、ENEOSが単に「配当を出す」だけではなく、資本政策を通じて株主価値全体の最大化を目指していることを示しています。
・株主還元意識
中期経営計画では「在庫影響を除いた純利益の50%以上を配当+自社株買いで株主還元する」と明示。
さらに、年間22円の下限配当を定め、2020年の赤字時もこれを守り抜きました。
また、自己株式取得も積極的で、2022年には約1,000億円、2023~24年度には合計2,500億円を上限とする大規模な自社株買いを実施。
EPS向上・ROE改善にもつながり、株主価値向上への強い意識がうかがえます。
・会社業績
2019年度
コロナの影響で石油需要が急減。
原油価格・銅価格下落、円高が収益を圧迫。
営業損益:▲1,100億円/最終損益:▲1,879億円。
2024年度
売上高:12兆3,225億円(前年並み)
営業利益:1,061億円(前年比▲72%)
非継続事業を除く実質利益は増加。
石油製品セグメントの在庫評価損が大きく影響。
セグメント別の明暗
石油製品:在庫損で赤字転落
機能材:倍増の好決算
電力:黒字転換
再エネ:赤字継続だが将来性あり
金属:前年比+37%と好調
・高配当株投資としての注意点
エネオスは石油価格に連動しやすいため、原油市況次第で業績の大幅変動が起こるリスクがあります。
特に、在庫評価損の影響が大きく、原油価格下落時には帳簿上の利益が急減しやすくなっています。
さらに、トランプ政権の貿易政策や国際情勢の変化による関税リスク、エネルギー需要構造の変化など、外部環境の影響を受けやすい点も注意が必要です。
・今後の成長性
石油依存からの脱却を進めるエネオスは、再生可能エネルギー、機能材、電力、非鉄金属といった成長分野への投資を強化しています。
機能材:EV・モビリティ需要の高まりで拡大期待
再生可能エネルギー:2030年までに倍増計画
金属:半導体素材需要の拡大に乗って北米展開強化
電力:仮想発電所など次世代基盤づくりを加速
中長期で見れば、脱炭素社会に向けた戦略が着実に進んでおり、非石油分野の収益拡大により、配当の安定性もさらに高まっていく可能性があります。
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▼もくじ▼
0:00 はじめに
1:03 会社概要
4:09 事業概要
9:12 配当推移
13:30 会社業績
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この動画について | |
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URL | https://www.youtube.com/watch?v=5OdYr3i7_qE |
動画ID | 5OdYr3i7_qE |
投稿者 | 不毛な株価 |
再生時間 | 33:11 |
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